自称異物少女と誠の武士
そんな私の様子を見て男も私を怪しんでいるようだ。
さっきまでの笑顔はどこにもない。
「誰かもわからない方に話す義理はないです」
「それは僕も同じだよ」
このままこの人に怪しまれて連行されよう。
そうすれば屯所を探す手間が省ける。
「わかりました。じゃあ新選組の局長、近藤勇殿は自分で探します」
「なんで君がその名前を知っているんだい」
「あなたには関係のないことです。失礼します」
その場から立ち去ろうとした時、再び襟を掴まれた。