自称異物少女と誠の武士
第三章 目的地、新撰組屯所に到着
男に襟を掴まれたまま引きずられ、建物の中へと連れて行かれる。
廊下を早足で歩き、部屋の前で立ち止まった。
ここはどこなんだよ。
男は何も言わずに勢いよく障子を開いた。
「おい総司。開けるときゃ声掛けろって何度言やわかる」
部屋の主はその男の行動に怒っているようだ。
だが、すぐに後ろの私に気付き、睨みをきかせる。
「総司、そいつは誰だ」
「知らないですよ。怪しかったんで連れてきました」
そう男が軽く言ったことが相当ムカついたのだろう。
目の前に人物は手を握りしめ震えていた。