自称異物少女と誠の武士





「この世界には希望がないから」



そう言うと二人は首を傾げた。



あれは見事なアホ面だ。



まぁ仕方ないから見せてやろう。



そう思い、着物の袖をまくって手首を見せた。



「これは私が何度も死のうとした証」



手首にはリストカットの痕が沢山ある。



それを見た瞬間二人は黙ってしまった。



何を考えているのか分からないが、どうせ同情とかなんだろうな。



そういうのいらないんだが。



そう思っていると、土方に胸倉を掴まれた。



「何があったか知らねぇが、死にてぇほどに辛くても、お前は生きてる。それに何か意味があるとは考えられねぇのか」



そして怒鳴られた。




< 23 / 130 >

この作品をシェア

pagetop