自称異物少女と誠の武士
「この世界には希望がないから」
そう言うと二人は首を傾げた。
あれは見事なアホ面だ。
まぁ仕方ないから見せてやろう。
そう思い、着物の袖をまくって手首を見せた。
「これは私が何度も死のうとした証」
手首にはリストカットの痕が沢山ある。
それを見た瞬間二人は黙ってしまった。
何を考えているのか分からないが、どうせ同情とかなんだろうな。
そういうのいらないんだが。
そう思っていると、土方に胸倉を掴まれた。
「何があったか知らねぇが、死にてぇほどに辛くても、お前は生きてる。それに何か意味があるとは考えられねぇのか」
そして怒鳴られた。