自称異物少女と誠の武士
「死にてぇ死にてぇと言ってる癖に死にきれてねぇじゃねぇか。それはお前が死にたくねぇって思ってるからじゃねぇのか」
「そんなこと言われたって……」
「ごちゃごちゃうるせぇ。これから入隊試験を行う。相手は俺がしてやる」
私の言葉は土方のデカイ声に遮られた。
煩いのはどっちだよ。
てかなんで全部決めてんの。
入るなんて言ってないじゃん。
そんな反論も聞いてもらえず、今度は道場に引きずられ、連れて行かれた。
「剣術は使えるか?」
「一応は」
そんな適当な返事なのに木刀を押し付けられ、入隊試験は強制的に開始された。
新撰組の人間はみんな揃って人の返答を聞かず戦いを挑んでくるのかよ。