自称異物少女と誠の武士





「始め」



土方は自分で言い、勝手に始めてしまう。



少し慌てながらも木刀をしっかり構えた。



男だけあって力が強く、やや押され気味になる。



一度離れて体制を整えると再び構え直した。



向かってくる土方をギリギリで避けて、背中に木刀を振り下ろす。



その時木刀と木刀の当たる音が、道場中に響いた。



「お前、中々やるな」



土方は木刀を受け止めた状態でニヤッと笑った。




< 25 / 130 >

この作品をシェア

pagetop