自称異物少女と誠の武士
周りに人がいることを忘れ、集中する。
息を整え、真っ直ぐに土方を見る。
私が動かないため痺れを切らしたのか土方が動き出す。
木刀を振り上げ襲い掛かってきた。
足の間に滑り込み、後ろに回り座った状態で背中に木刀を突き付けた。
それと同時に土方も木刀を私の首に当てた。
「引き分けのようだな。合格だ」
土方はそう言うと手を差し出す。
「ありがとうございます」
私はその手をありがたく借りて立ち上がった。