自称異物少女と誠の武士
結果は圧勝だった。
こんなことってあるんだなと、感心した。
普通、数か月も竹刀を握らなかったら感覚が鈍るはずなのに、二、三回打ち込み、打ち込まれただけで感覚を取り戻した。
その事実には実にびっくりだ。
「君は強いんだな」
「どうも」
この人はどうしてこんなに嬉しそうに笑うのだろうか。
バカなんだな、きっと。
「君に頼みたいことがあるんだが引き受けてくれるかい?」
「嫌です」
即答だ。