自称異物少女と誠の武士





「土方さん、刀を貸していただいていいですか?」



土方は怪しみながらも刀を貸してくれた。



前髪を解き、後ろ髪と一緒にばっさりと切り落とした。



「なっ」



「新撰組では人を切らなければならないんですよね? これはその決意表明です」



そう言いきると土方さんは微笑み、頭を撫でられた。



「キモいのでやめてください」



「キモいってなんだよ」



「気持ち悪いを短くした感じだよ。男相手にそんなことして嫌じゃないんですか」



ジト目で言うと、土方は急いで頭から手を離した。



土方には気を付けよう。



これがこの日思った感想だった。



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