自称異物少女と誠の武士
「副長に報告する」
そう言って出て行こうとする男の手首を握る。
「待って、土方さんには言わないで」
「なぜだ。言って困ることがあるのか」
そんな風に言われても……。
「言ってここを出て行かなきゃいけないことになったら困るし、何よりここでなら変わるとも思うので言わないで欲しい……です」
「変わるって何がだ」
そこまで言わなきゃいけないのかよ、めんどくさい。
この男、しつこいな。