自称異物少女と誠の武士
風呂から上がり、着物を着る。
そして周りを見回した。
「上がったのか?」
そう言うと後ろから声が聞こえてきて驚き、肩を震わした。
振り返ると山﨑がいつもの無表情を顔に貼り付けていた。
「いきなり後ろから声を掛けないでくださいよ。びっくりします」
「あぁ、すまない」
意外と素直なところがあるんだなと思ってクスリと笑う。
「何が面白い」
「何でもないです」
笑顔でそう受け答えした。