自称異物少女と誠の武士





正直浮かれていたのは事実だった。



また寝不足のせいでもあったかもしれない。



完全に判断力は鈍っていた。



「おいおい、金払ってやってんだ。お客様の言うことはちゃんと聞かねぇとな」



今まで二人きりでの誘いは断っていた。



だが今回は眠気のピークのせいで大分頭が回らず記憶が曖昧なほどだった。



睡魔のせいで力なく押し倒される。



抵抗しようにも力が出ない。



山崎の言葉通りだな。



心の中でバカな自分を嘲笑した。



そして目の前の恐怖で頬を生温かい何かが伝った。




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