自称異物少女と誠の武士





男を引っぺがし、桐谷を抱き寄せる。



どうやら眠っているようだった。



着物ははだけ、肌が見えている。



「なんだてめぇ。邪魔してんじゃねぇぞ」



その言葉を聞き目の前の男を睨みつけた。



「桐谷に何かしてみろ。貴様の命はない」



男は情けない声を上げ、逃げていった。



腕の中で眠る少女は規則正しい寝息を立てていた。



その時自分の気持ちを自覚した。




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