自称異物少女と誠の武士
土方のいる部屋に行き障子を少し開けると熱心に仕事している姿が見えた。
その場を離れお茶を入れて戻ってきた。
「土方さん、お茶持ってきました」
「入れ」
「失礼します」
中に入ると、土方は眼鏡をかけて集中している様子だった。
机にお茶を置き少し距離を置いて座る。
「土方さん、俺この間の仕事全然お役に立てなかったですよね。だから今度こそ何か……」
「いや、お前は俺の小姓だ。外に出て仕事っていうのも違ったのかもしれねぇな。てかまず監察でもない男のお前に女装させるってのも無理な話だったのかもな」
お前じゃ無理。
分かってる。
いつも否定されて生きてきたから。
でもこの人にはそんなこと言われたくなかった。