自称異物少女と誠の武士
ゆっくりと近付いてくる彼女は私にとって恐怖だった。
すぐに手すりに背中をぶつける。
もう下がれない。
本当に落ちかねないと思った。
「私たち仮にも友達だったんだよね。私の子と助けてくれた時みたいに格好良く今度も私を助けると思って飛び降りてよ」
そう耳元で彼女は囁いた。
最後に付け足された言葉は今でも頭から離れない。
「どうせあなたは誰からも必要とされないいらない子でしょ」
決して聞きたくなかった。
信用していたから全身から力が抜けていく。
そこから先は記憶にない。
きっと無意識だったのだろう。
気付けば病院のベッドの上だった。