自称異物少女と誠の武士
土方side……。
泣き疲れたのか桐谷は俺の腕の中で規則正しい寝息を立てていた。
勢いとはいえ抱きしめるなんて俺らしくもないな。
こいつは男だというのに。
だが手の内に入れてみればこいつの体は女のようだった。
腕や足は細く、男のように筋肉質ではない。
そして今までなぜ気付かなかったのかこいつは喉仏が出ていない。
「もしかして」
ようやく気付いたその事実に戸惑いながらもどこか安心している自分がいた。
こいつが女であることにほっとしているのだ。
そして同時に焦りを覚えた。こいつが誰かに奪われる可能性に。