自称異物少女と誠の武士





「報告しなかったことについては申し訳ありませんでした。偶然部屋に入った時に着替えをしていまして、脅されたので」



それを聞いて引っかかった。



つまり山崎は桐谷の裸体を見たということか。



そんな相手に何も言わないのか。



それどころか接吻まで……。



そう考えると落ち込んでしまう。



そして目の前の男に嫉妬した。



「気付かなかった俺の不注意だ。こんなに近くにいて気付けなかった俺にも問題はあったから気にする必要はねぇよ」



「ありがとうございます、以後気を付けます。ところで失礼を承知で聞きますが、副長は桐谷をどう思っておいでですか」



真剣な面持ちの山崎はきっと俺の気持ちを見透かしていたのだろう。




< 90 / 130 >

この作品をシェア

pagetop