自称異物少女と誠の武士





山崎side……。



きっと副長は桐谷のことが好きなのだろう。



だから俺の一言で少し落ち込んだ様子になられたのだろうな。



だが相手が副長であろうと譲れないのだ。



副長は眠っている彼女を自分の手の内から離そうとはしない。



その様子を見ていると心の臓が嫌な音をたてるのだ。



「俺は桐谷のことが好きです。副長にも渡したくないほどに」



正直な気持ちを伝える。



一番伝えにくい相手に伝えたことでもう誰でも言える、大丈夫だと思えた。



すると副長は俯いて肩を震わせ笑っていた。




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