私のステキな下僕 〜カレシ〜(短編)
「身長に詳しいのも小野寺が言ってたの?」
あ、呼び捨てにしちゃった。
「ううん。矢沢さんが、レイナのことスラっとしてて綺麗っていうから、何センチか聞いたんだ」
「随分仲良いんだね」
「今、席が隣なんだ」
「もしかして、黒板消してた日2人が
日直だったの?」
「うん、そうだよ?」
それがどうかしたの?って顔をする那智に肩パンをした。
「いてっ」
「そういことか!」
日直だから、那智に頼んでたんだ。
もー、そうなら早く言ってよ。
「ねぇ、ご飯食べてもう一回周ろう?」
那智の腕にしがみついて見上げると、照れたように笑った。
「うん」
「那智ー!ヒトデ触れるって!!」
お昼を軽く済ませてレストランから
出ると、ふれあいコーナーがあった。
貝やヒトデが触れるらしい。
「えー?レイナも触ってよ」
「イヤだ」
「うわー、気持ち悪いー」
腕を捲ってヒトデを触る那智が可笑しくて写メを撮った。
「気持ち悪くないよ。静かに降ろしてあげて」
「なんでレイナも触らないの?」
「気持ち悪いから」
「えーーー???」
「あ!もうすぐでイルカショー
始まるよ!シャチも出るって!」
2度目のイルカショーは、前の方に
座ったせいで水しぶきで濡れてしまった。
「最低〜」
タオルで濡れた所を拭くと、那智にも
手渡した。
「近くで見たいってレイナが
言うから」
「那智だって、前が良いって
言ったじゃん」