鬼姫伝説 Ⅰ
「お前の呪術があれば、呪うことも・・・鬼を封じることもできるのか?」
「はい。呪術の力を応用すれば、鬼を封じることもできましょう」
男の言葉に、時光は微笑を浮かべ顎を撫でる。
「ならばさっそく」
「呪いはすぐにでも・・・。しかし、鬼を封じることは、直接鬼と対峙しないことには・・・」
「そうか。ならばとりあえず呪いの方を仕上げよ」
「かしこまりました。では、その者の名を・・・」
男はそう言って時光を見据えた。
時光は笑美を消し去り男を見る。
「千代。・・・影正の娘の千代だ」
そう言い放った。