鬼姫伝説 Ⅰ
「千代!おい!千代!!!」
鬼羅が必死に呼びかけるが返事はない。
ぐったりと瞳を閉じ苦しそうに歪められた表情のまま。
「・・・なぁ、鬼羅。千代ちゃんの胸元・・・」
琉鬼の声に、ハッとし暴れたせいで着崩れた胸元を見る。
鎖骨より少し下あたりに痣のようなものを見つけた。
痣・・・、なにか鈴のような模様に見えるその痣はいつからあった物だろう?
「なんだ・・・これは」
「呪い・・・」
「呪い?」
琉鬼の呟きに眉を寄せ琉鬼を見る。
琉鬼は戸惑うように目線を泳がせた。
「でも、まさか・・・」