鬼姫伝説 Ⅰ
「どういうことだ、琉鬼」
「いや・・・、聞いたことがあるんだ。人間の中には、人に呪いをかけられる呪術師ってやつがいるって」
呪術師。
そいつが、千代をこんな目にあわせたというのか・・・。
鬼羅はギリギリと唇を噛みしめる。
「すぐにそいつを探し出して・・・」
「落ち着いて!呪術師を殺して呪いが解けるならいいけど、そうじゃなかったら・・・」
「なに?」
「呪いを解く方法が永遠にわからないままになってしまう可能性だってあるだろ」
今にも呪術師を殺しに行ってしまいそうな鬼羅を慌てて抑える琉鬼。
鬼羅は、悔しそうに顔を歪め千代を見つめた。
「どういった呪いなのか、少し調べてみる」
「・・・ああ」
「鬼羅は、ちぃちゃんについててあげて」
「すまない」
琉鬼はそう言って小屋を飛び出した。