鬼姫伝説 Ⅰ
ついに時光の軍勢は鬼羅たちのもとまでやってきた。
向き合う双方。
「時光はどこだ!」
鬼羅が叫ぶ。
一刻も早くと願うのは、呪いの事。
「時光!貴様!千代に呪いを施すなど、どういうつもりだ!」
姿を現さない時光に鬼羅は苛立ち怒鳴る。
「我が手にできぬのなら、どうなろうとかまわぬわ!」
「貴様ぁ!!!」
ギリギリと拳を握りしめる。
どうして。
「その呪いがあれば、もう千代は貴様とは結ばれることはない!好きと思う感情がその身を滅ぼすことになるのだ!」
「なんだと・・・!?」
「その身だけではない、周りの者さえ不幸にする・・・。何という悲劇だろうなぁ」
高笑いを決める時光にいら立ちが隠せない。