鬼姫伝説 Ⅰ



「貴様のせいだ、化け物よ!貴様がいるから千代は不幸になった。貴様のせいで呪いを受けたのだ!」




時光の高笑いが響く。



―お前のせいで



その言葉が鋭く鬼羅に突き刺さった。
自分自身でもそう感じていたからかもしれない。


自分と出会ってしまったから。
千代は城を飛び出した。



自分と出会ってしまったから。
千代は時光との縁談を受け入れなかった。




そのためにこんな目に遭っているんではないか―――――・・・。




「聞くな!鬼羅、あいつの言う事なんて聞いちゃだめだ!」




鬼羅の様子に気づいた琉鬼が叫ぶ。





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