鬼姫伝説 Ⅰ
子鬼は千代を見上げ、ドカッと座り込んだ。
「きーがいっていた。このしろのひめは、おれたちおにをばけものあつかいしないと」
「鬼羅が?」
「だから、どんなものなのかみにきたんだ」
「会いに来てくださって、嬉しいです。天さまいつまででもいてくださいな」
「い、い、いつまでと!?そんなわけにいくかっ!」
顔を真っ赤にさせた天は千代を指さしながら慌てたように騒ぐ。
そんな天を見て、なんて可愛らしい子鬼なのだと千代は思った。
「で、でも、少しなら・・・いてやってもいいぞ」
「本当ですか?嬉しい!たくさんおもてなしいたしますね」
千代は嬉しかった。
少しでも、鬼羅とのつながりができることが。
会えなくても、今どうしているのか聞けるだけで。
目を閉じて、脳裏に浮かべる。
あの真っ白なさらさらした髪。
鍛えられた体に、濃紺の着物。