鬼姫伝説 Ⅰ
「ちよもきらのことがすきなんだな!」
天が笑ってそう言う。
言われた千代は面食らったような顔をする。
「すき・・・ですか?」
「なんだ、ちがうのか?」
「い、いえ・・・」
千代は戸惑い、顔を赤らめる。
そんな初々しい姿を見て天はにやけるのだった。
「この気持ちは・・・、鬼羅を思うこの気持ちは、好き、というものなのでしょうか・・・」
胸を抑え、問いかけるように。
“好き”そんな気持ち、今まで知らない。
だから、この気持ちがそうなのかわからない。
「いまいっしょにいたいのはだれだ?」
天が問いかける。
「今・・・」
一緒にいたい人。