鬼姫伝説 Ⅰ
「そうそう。天からの情報もう一つ」
「え?」
「城が慌ただしくなってるみたい。もしかしたらちぃちゃんが抜け出したことばれたのかも」
神妙な面持ちで琉鬼がそういう。
いずれバレることだと思ってはいたが、いざそう言われると胸が騒いだ。
影正はなにをするだろう。
「・・・なにがあっても私は、城には戻りません」
「ちぃちゃん・・・」
「私は、鬼羅とともに生きたいのです」
決意は強い。
鬼羅と共に生きる道を自分で選んだ。
初めて、自分で決めた道。
その覚悟は強かった。
「お前は、俺が守る」
「鬼羅・・・」
「わかったな」
「はい」
鬼羅も、同じ思いだった。
千代と共に生きていく道を選ぶ。