鬼姫伝説 Ⅰ



「これを着ろ」

「え・・・?これ、鬼羅が用意してくれたのですか?」



千代が尋ねると恥ずかしそうに視線をそらす。
千代は微笑み、それを受け取る。



「ありがとう!」

「別に、よい」




鬼羅はぶっきらぼうにそう言う。
恥ずかしくて仕方がなかった。




「早く着替えて来い。ここで火をくべておくから」

「・・・はい!」




鬼羅に急かされ千代が森の陰に着替えに向かう。
その間に木の枝を集め火をくべる準備を進めていく。



手際よく集め、火を起こし終えた頃、着替え終えた千代が戻ってきた。
小さな柄のついた薄桃色の着物。

それを着て少し照れくさそうに出てきた千代に鬼羅は目を奪われた。



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