鬼姫伝説 Ⅰ
「千代!迎えに来たぞ!」
そして奥から現れたのは、自らもやってきた時光だった。
「時光さま・・・」
「さあ。その汚れた手を放せ!」
「貴様に千代は渡さん!」
千代を背中に庇い時光を睨みつける。
時光はキリキリと険しい顔をして鬼羅を見た。
「化け物のお前と姫である千代が釣り合うと思っているのか?千代がどこにいるのが幸せなのか、化け物のお前にもわかるだろう」
「貴様のもとに行けば幸せだと抜かすか」
「当然だ」
真っ直ぐ揺らぎなく告げる言葉。
自信に満ち溢れた時光。
「わかったら、千代を離せ!」