鬼姫伝説 Ⅰ
「つまんないの!もうおしまいかよ」
琉鬼はつまらなそうに唇をつき出した。
そんな琉鬼をほおって鬼羅は千代のいる木の上にひらりと登った。
「鬼羅!大丈夫?」
「ああ、千代も平気だったか?」
「ええ、私は・・・」
鬼羅が側に来たことでようやくほっとした千代。
今にも泣きだしそうに目を潤ませる。
そんな千代を見て鬼羅は微笑千代の頭を撫でた。
鬼羅の笑顔。
琉鬼はそれを覗き見、嬉しそうに笑った。
「よかった・・・本当に・・・」