王子の結婚
プロローグ

ユナは遠く皇族の血をひく、貴族の次女
物心つく頃には結婚相手は決められていた
18になればこの国の王子、次期国王となるソウの元に嫁ぐことが



絶世の美女と言われた母の血を色濃く継いで、18を目前としたユナは誰もが振り返る容姿となっていた
その若さからは想像できない程の艶を持ち、それなのに少女のあどけない純粋さも併せ持つ
王子との婚姻が決まっていなければ、求婚の数は果てしなかっただろう



次期国王の王子ソウは聡明で軍事にも長け、臣下からの信頼も厚い

ソウは三男だが、長男は母の身分が低く、次男はソウほどの才を持たない
誰からも次期国王として求められる男である
また彼に会った者は皆、魅了される程の美貌を持つという


彼は民衆の前にはほとんど顔を出さないが、そんな噂は街中で広まっている


もちろんユナもそれを耳にしており、この政略結婚に対して嫌悪感を持つ事はなく、彼に会える事を楽しみにしていた

そんな非の打ち所もない彼に会えば、例え政略結婚であろうともすぐに恋に落ちる…
むしろ既に、会った事もない相手に恋い焦がれているように…





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