王子の結婚
金色に輝く肩まで伸びる髪、同じく金色の瞳
背はイル王子の方が高いだろうか
イル王子はがっちりとした体型だったが、彼は細身でしなやかだ
今まで見た事のないほどの均整な美貌に、ユナは言葉を失った
(私、今までこんなに綺麗な人を見たことないわ)
見惚れるとはこのことだ
放心状態といったユナの側に歩み寄る
彼は微笑んで手を差し伸べた
「君がユナだね」
握手を求めているという事に気付くまで少し時間がかかった
気付いて慌てて立ち上がり右手を差し出す
「は、はい」
落ち着いていたはずの心臓が、またもやドキドキと高鳴り出す
イルはその状況を見ていた
そしてニヤッとする
「ねぇ、ユナはやっぱり知らないんだね」
その言葉の発せられた方を向くとイルがさも楽しそうな顔をしていた
ユナにはイルの言っている意味が全く分からなかった