王子の結婚
王宮に着いたその日は、1ヵ月の間だけ仮に住まう部屋へ案内された
婚姻した後は後宮に移る事になる
国王陛下やそのお妃たちへの挨拶、ソウ王子との対面に緊張しそわそわしていたユナだったが、自分に仕える事になる女官を紹介されただけで、その日はゆっくりするようにとの事だった
「やっとお会いできるのかと思ってすごく緊張してたから、何だかホッとしたような寂しいような…」
何年も待ち続けてきた時が、もうすぐそこまで迫ってきている
手を伸ばせば届く場所にソウ王子がいる
今まで抑えてきた気持ちが溢れ出しそうだった
「早く明日にならないかな…」
逸る気持ちを抑え、明日訪れる初対面の時を心待ちに、慣れない部屋で中々寝付けない時間さえ愛しむように、ゆっくりと眠りに落ちた