姉弟ものがたり
「やっはり、ゆうふんのヒラフははいほー!」
「遥ちゃん、何を言っているかわからないよ」
「飲み込んでから喋れよな」
可笑しそうに笑う学と、呆れたような優、二人の視線を笑顔で受け止めて、また遥はスプーンいっぱいにピラフを口に入れる。
「ねえ、ゆうくん!今度お弁当にも入れてね」
「……この前入れたばっかりだろ」
「この前のはシーフードだったし、こんな風にソースもかかってなかった」
「たまには自分で作ったらどうなんだよ」
「ケチー!」と喚く遥だが、ピラフを口に入れた途端幸せそうに表情が崩れる。
怒ったり笑ったり食べたりと、何とも忙しい奴だ。
そんな遥を見守りながら、学も黙々とスプーンを動かす。
優もまた遥をかわしたり無視したりしながら食べ進め、三人の皿が空になったところで学に視線を移す。