男装女子と俺様会長!

朝倉先輩が生徒会室から出て行った後、私は一人黙々とプリントのホッチキス留めをしていた


「はぁ〜、会長に見てもらってるから勉強は大丈夫だと思うけど…赤点とったら怖いだろうなー。」


本当ならば勉強の一つでもしなければいけないのだが、私にはこのプリントの山を一つ一つホッチキスで留めなければならない


「何で雑用係になっちゃったんだろ…。」


会長に無理やりこの雑用係を押し付けられた時の事を思い出す


あの時はやりたくないとか面倒臭いとかの気持ちが大きかった


「でも…。」


今は“楽しい”という気持ちがある


生徒会の皆がなんだかんだで優しい


しかし、それだけではないような気もする…


「いつか…、いつか分かる日が来るよね…。」


「……そんなことよりテスト勉強しなきゃ!」


テストは、明後日から


明日は皆で図書室で勉強会!


「なんだか青春って感じだ…!」


私は明後日に向けて気を引き締めながら、プリントにホッチキスを留めていった



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