男装女子と俺様会長!
私は帰ってきたテスト用紙を見て飛び上がった
「やったーー!!全教科平均点以上だ!!」
全教科平均点以上
これは私にとってとても嬉しいことだった
今までで一教科すら平均点をとったことがないのだ
これが喜ばずしてどうする!
「早速、報告だー!」
私はすぐに生徒会室へ行くとドアをスパーンと開けた
「会長!朝倉先輩!僕、やりましたよ!」
朝倉先輩は勢い良く入ってきた私に目を見開いたが
「何点だったの?」
と返してくれた
「ふふーん。全て、平均点以上です!」
自信たっぷりに言った私だったが、朝倉先輩はポカーンとしている
すると、会長が
「お前、アホなのか?あれだけ勉強して平均点程しか取れないのか?」
その声音は私を馬鹿にしている様なものでもなく、真剣だった
「…………。」
……え、何これ
「…えっと、会長達はどうだったんですか?」
そう返すのがやっとな私に、会長と朝倉先輩は無言でテスト用紙を私に見せた
……100点、……98点、……92点
等々…
目の前には、私では一生取れない点数達のオンパレードだった
「…………なんか、すまん。」
それが初めて聞いた会長の謝罪だった
その後、私は無の表情になって、自分のテスト用紙を握り潰したのは言うまでもない
そして数分後、生徒会室に入ってきた斎藤君と大野君にテスト用紙を見られ馬鹿にされ私の心は打ち砕かれたのだった…