東堂くんは喋らない。




サッカー部が部活をやってるすぐ横で、邪魔にならないようリレーの走行順に一列になる私たち。



トップの東堂くんの手にはバトン。




「…俺、ほんとに一番?」




どうやら東堂くんはまだ納得がいっていないようだ。




「おう、この順番は決定だから!はい、始め!」



「………」




山本に押し切られ、不満気な表情のまま東堂くんが走り出した。



そして夏海ちゃんへ、遠藤くんと綺麗にバトンが渡り


私、柑奈と繋いでく。




柑奈から山本へバトンが手渡されると、山本は嬉しそうにデレデレしていた。



わっかりやすい奴だ。





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