東堂くんは喋らない。
それから10分後。
私と東堂くんはベンチに座ってじゃれあう二匹の姿を見ていた。
ただし、なぜかものすごーーーく端にズレ落ちそうになりながら座ってる東堂くん。
「あの…ちょっと端に座りすぎじゃない?」
「………」
「……ねぇ」
「…………」
「てか東堂くんも犬飼ってたんだね~」
「………」
はぁ…どうやら今日も東堂くんは絶好調のご様子。
「ねぇ、東堂くん。クラス会きなよ」
まっすぐ東堂くんの横顔を見つめながらそう言うと、ピクリと東堂くんの頬が動いた。