東堂くんは喋らない。
「じ、じゃぁ、峰岸は一体どんな乗り物が好きなんだ!?」
「うーん、お化け屋敷?」
「えぇ!?怖いじゃん!」
「それがいいんじゃん」
でも、なんだかんだで雑誌を見ながらワイワイ、二人して盛り上がっている。
今のところ、この2人が付き合っている絵図は全く浮かんでこないけど(山本、ごめん)
もしかしたらってことも…あるのかも、しれない。
そして、あっという間に放課後がやってきた。
私は決めていた。
今日、東堂くんに伝える、って。
そう考えるだけで緊張マックスで、心臓ドキドキで、とてもSHRの担任の話なんて耳に入ってこなくて、気付いたら――
「…おい松原、なにボーッとしてんの?帰らねーの?」
「…え!?」
気付いたら、もう終わってた。