東堂くんは喋らない。
最近ちょっとは喋ってくれるようになったと思ってたのに。
また無視だよ~…。
「はぁ…」
「東堂に無視されたのがそんなにショック?」
「ショックっていうか、なんていうか…」
昼休み。私はいつものように柑奈とお弁当中だけど、いつもよりもテンションが低い。
やっぱり5月病か…。
「…香弥ってさ」
「んー?」
「東堂のことどう思ってるの?」
「え?」
どうって
「…友達だと思ってるけど?」
突然の柑奈の質問に戸惑いながら答える。
「ふーん」
柑奈が意味深な笑みを浮かべた。
「ほんと?」
「ほ、ほんとだよっ!」
「だったらいいけど」
「…ねぇ柑奈、何が言いた…」
「香弥、柑奈~!」
その時、同じクラスの理佐が来て私の言葉は遮られてしまった。
「今度は女子だけで遊ぼうって言ってたじゃん?そのことだけど~…」
「あぁ、うん。そろそろ日程決めなきゃね」
理佐と楽しそうに話しだす柑奈。
でも、私はさっきの言葉が心に突っかかったまま。
“ほんと?だったらいいけど”
…どういう意味?
たまーに柑奈は、意味深な言葉を言ってくるから困る。
私バカだから意味わかんないよっ!