東堂くんは喋らない。
「………」
昼休み後。
チラ、と隣の彼を横目で観察。
いつもように静かに読書に励んでいる東堂くん。
話しかけても…怒らないかな。
「とっ、東堂くん!」
あ、やばい。なんか緊張して声裏返った。
「………」
だけど東堂くんはそれには触れずに、チラリといつものように横目を向けた。
「あ、あの…何の本読んでるの!?」
「………類体論と非可換類体論について」
る、るい…!?
「…えーと…おもしろそうだね!?」
私にはそれが英語なのか日本語なのかも分からないけど。
すると東堂くんは、ふ、と一瞬口元を歪ませてから、本に視線を戻した。
「……東堂くん今。
私をバカにしたね!?」
「………よく分かったね。…バカなのに」
「はい!?」
でた!東堂くんの毒舌!!