東堂くんは喋らない。
「くそーーー!」
昼休み、私は珍しく図書室にいた。
「松原さん、図書室では静かにしてくださーい」
柑奈を巻き添えにして。
「ったく、東堂にバカにされたからって何であんたが宇宙の猛勉強してんのよ」
「だってなんか悔しいじゃん!
こうなったら東堂くんより宇宙に詳しくなって、絶対見返してやるんだからー!」
「見返す…?友達になりたいんじゃなかったの…?」
呆れた柑奈の視線には気付かないフリをして、私は『宇宙戦艦ヤマト』を捲る。
「しかも本のチョイス色々間違ってる気がするし」
「うるさいよ柑奈!シャラップ!」
「はいはい…」
待ってなさいよ、東堂一哉!!!