東堂くんは喋らない。




東堂くんはジワリと眉をひそめると




「あー!ちょっと待ってよ!」




クルリと踵を返し帰ろうとする東堂くん。




「はやいよ!帰るの早すぎ!」



そんな私に応戦するように、ココアもワン!と勢いよく吠える。




「………」




東堂くんはそんな私とココアを見比べ、はぁぁ、と心底うざったそうにため息をつくとベンチにゆっくりと腰掛けた。





「ウー!ワンワン!」



「ワンッ!」




楽しそうにじゃれ合うハチとココア。





「………」



「………」




重ーい沈黙に包まれる私と東堂くん。






…なんか…



気まずい!






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