東堂くんは喋らない。
東堂くんと謎の美少女。
忘れ………
られるわけないだろ~!!!
「あーめっちゃ気になる!
一体誰なんだろ、優月さんって…」
すっごい儚げな美少女だったなぁ。
あんな美人、そうそういないよ。
あの制服は桜ヶ丘女子、だよなぁ。超お嬢様学校…。
「ズバリ昔の女だね」
「…はっ!?」
思わず、箸でつまんでいた卵焼きがボトッと落ちた。
「だってそれしか考えられなくない?」
と断言するのは、いつも通り机をくっつけお昼ごはんを食べてる親友。
「下の名前呼びでしょ、ただならぬ雰囲気でしょ?どう考えても元カノだね」
「も、元カノ!?そんなまさか、元カノなんて…」
そんな東堂くんに限って…でも東堂くん、実はイケメンだし……実は運動神経いいし…実は勉強できるし…毒舌じゃなきゃ絶対モッテモテだし…
「…ありえる…!!」
「でしょー?」
柑奈が得意気に、箸で私を指差した。