東堂くんは喋らない。
「つっ付き合ってる!?私と東堂くんが!?」
「違うんですか?」
クリン、と大きな瞳がじっと私を見つめてる。
「ちっ違いますよ!」
「本当に?」
「ほ、本当に…!」
「…なんだ、そっかー」
ふぅ、と息を吐き出した優月さんは、なんだか落ち込んでるように見えた。
な、なんで?
「あのー…」
「一哉、学校でどんな感じですか!?」
「えっ」
かと思ったらまた凄い勢いで質問されて、思わずちょっと後ずさる私。
「ど、どんな感じとは」
「ちゃんと人と話してます!?友達いますか!?」
「え、えっとー…」
なんか大人しそうな子だと思ってたけど、すっごいグイグイくるな…!
「えっと…は、話してますよ!?…毒舌だけど。
と、友達は…私がこれからなる予定…かな!?」
するとハァ、とため息をついて、優月さんは力なく俯いた。
「やっぱり…友達いないんですね」
「…う…いないっていうか…作ろうとしてないっていうか…」
「…私のせいなんです、それ」