東堂くんは喋らない。
「ちょっとー!
何で嫌そうなの!?絶対楽しいよバーベキュー!」
「…………俺あんま肉とか好きじゃないし」
「えっそうなの!?てか東堂くんて何が好きなの!?」
「………………豆腐」
豆腐!!!
「………ちょっと」
パタン、本を閉じた東堂くんが私を睨んだ。
「なにちょっと笑ってんだよ」
「…いや、なんか東堂くんぽいなって…」
「…は?」
不機嫌そうに眉をひそめる東堂くん。
「…それ、豆腐をバカにしてんの?それとも俺をバカにしてんの?」
「なんでよ!別にどっちもバカにしてないよ!」
「…ふーん」
手持無沙汰に再び本を開き、ペラペラ、ページを捲る東堂くん。
「……そんなに朝早くないんなら行くけど」
!!!