新選組へ ~ 連理之枝 ~
慌てたように
玄関にかけてきた琴を見て
嬉しかった

「ただいま」



ホッとした顔をしていた



「先に寝ててよかったのに」

「眠れなくて」

「子供だな」

「もう!」

叩こうとする琴の手を取り、そのまま引く

部屋に戻ってすぐ、襖を閉め
抱きついた

「きぃさん?」

琴の匂い… 甘く優しい

「お酒臭いよ?」

男なはずはない!

「どうしたの?」

抱きしめ返された

パッと肩を押し、琴の顔を見る

「きぃさん?」

有栖川宮にやるものか!
天子様のエサ?
いやだ!離したくない!

「どうしたの?具合悪いの?」

心配そうに、俺をみる
〝好きだ〟声には、出さず口を動かし
唇を奪った

///

真っ赤になりながら、口づけに答えてくる
琴の体を着物の上から触る

理性が飛ぶ

琴の膝がカクンと折れるのを

受け止め布団の上に横にする


可愛い琴に俺は、余裕がなくて

寝間着の中に、手を入れた

胸とか、お尻とか直に触れ女だと

確認した

ここでやめなければ

宮部兄が廊下にいる

わかってはいたが、止められなくて

胸に、口づけをした


「ひゃぁん」

琴が、俺を感じてくれていると思ったら

夢中で唇を塞ぎ、胸を弄っていた

「んんっ」

琴のかわいい声をもっと聞きたい

そう思ったが

手を止めた、唇を離した


「可愛いな、琴をもっと触りたいけど
おしまい!」


宮部兄にかわいい声を、聴かれたくなかったから


琴は、ボーッとしてて


着物を合わせてやり、布団に入れた

ぐったりしてて

そのまま眠った


部屋を出て、宮部兄に伝えた

「女だ」

「そのようだな
女遊びもしなかったお前が
やっと見つけた相手が、よりによって… 」

「惚れちまったんだ…仕方ねぇよ
このことは、ふせてくれ」


連絡役さえいなければ、計画もダメになる
俺が狼に殺され、琴を会津にかくまって貰えれば全て終わる

そう思った


甘かったらしい


惚れた女に、尻ぬぐいさせることになるとは、情けねぇ


男なら、愁迦
女なら、柊花
どちらも(しゅうか)と読む
それが本当の名前らしい

四季が揃った


柊花・・・


どうか無事に生きてほしい



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