新選組へ ~ 連理之枝 ~
「土方組だ!!助太刀する!
今から、捕縛に切り替えろ!!」

遅ぇよ!土方さん!!

待ってたよ!!


すでに制圧していた


「誠…」

「近藤さん!!」

少し明るくなり始めた空

庭に出たら、近藤さんの顔が見れて

ホッとした

しかし…すぐに俺は、目を見開いた

「お…奥沢さん?奥沢さん!!」

幹部以外には、無表情を通していたが

奥沢さんは、いつも俺を気づかって

笑顔で接してくれた

平助と同じように

兄のように思っていた

奥沢さんが・・・死んだ




「いやだ…」



安藤さんと新田さんの姿も…


はぁはぁ はぁはぁ

「誠…見るな!!目をつぶれ!!」

土方さんに視界を塞がれた

はぁはぁ 血の臭い

ズキン

「いってぇ…」

「誠!!お守り!!」

「うぅ…お守り!!」

はぁはぁ お守りの存在を思い出したら

落ち着いた・・・

俺は、単純かも


「土方さん!!安藤さんと新田さんは
まだ息があります!!助けましょう!!」

この傷では、むりだ

頭ではわかっている


「あたりめぇだ!!」

「ありがとうございます」


泣きそうだった


「すみません
会津に戻りますね
記憶のこと、内緒ですよ」

「あぁ」

お辞儀して、素早く黒谷にもどる

抜け出したことは、バレていない

よかった…




皆のケガの様子が、目に浮かび涙が出た

どうか、どうか… 死なないで

< 138 / 323 >

この作品をシェア

pagetop