新選組へ ~ 連理之枝 ~
1人、御所を出た


歳は素晴らしい采配で、皆を動かしていた

「1人か?」

「屯所で話すよ、今は俺も混乱している」

「そうか…なら、先に怪我人連れて、帰っててくれよ」

「そうさせて貰う、すまんな」

「いや、嫌な役をさせたようだな…
俺が行った方がよかったか?かっちゃん」

「歳なら… いや、俺でよかったよ
歳は、優しいから… 」

「ふんっ こういう時は、山南さんだな…」

「あぁ違いない!山南くんが適任だ!
歳、屯所で待ってるよ」

「おう、戻ったら聞かせてくれ」


うまく話せるだろうか


誠が、俺達を忘れてしまったら?

5日後、どんな顔して会えばいい?


いつものように


「近藤さん!!」


と言って、駆け寄ってくれるだろうか?


俺は、富沢さんのように誠を癒してやれるだろうか?


不安ばかり、後ろ向きな考えばかり募る


歳と山南くんに、御所でのことを話した


「たとえ記憶がなくなったとしても
誠は誠だ!」

そう言った後、歳は記憶のこと

誠の身分を知った古高が、誠を助け

古高と故郷へ、逃げる約束をしていたこと


そして、屯所に戻る前に、聞いたこと


古高 俊太郎が、役人に斬られ死んだと

話してくれた



「古高と紅葉様の後を、追うつもりだったのかもしれん」


「涙1つ流さずに、戦ってくれた」


「誠、心配ですね」



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