新選組へ ~ 連理之枝 ~
翌日

朝稽古が終わる頃に、誠と道場へ

皆が朝餉に向かうが

原「どうしたんだ?」

誠「土方さんと、対決です!」

平隊士までが、面白そうだと見学をすると
言い出した

原「誠!!正義は、勝つ!!」

誠「はい!!」

俺は、悪かよ…

原「誠!!若さで勝ってんぞお!!」

ゴンッ

「黙って審判しとけ!!」





「両者、構え!!はじめ!!」




誠がペロリと唇を舐めた

その瞬間、目つきが変わった


本気でくる

俺も本気で行くしかねぇ


誠の木刀の先が少し動いた

そして、俺の木刀に触れる


そこまでは、見えたが


気づいたら、腕に木刀が当てられた
刀を持つ手の力が抜ける

腹を切る動作のあと

後ろから、心臓あたりに木刀が突きつけられた


「勝負あり!! 誠!!」



「ありがとうございました」

隊士達がポカーンと見てるから

無表情でペコリと頭を下げた

俺も礼して「やっぱ強ぇな」

体術なしで負けた

完敗だ


「なんで!?小姓なんですか?」

「隊士になれますよ!!」



口々に、言い出した



「うるっせぇ!!色々あんだよ!!」


「すみません」

スタスタと、道場から出て行く


「おい!誠!!」


「皆さん、朝餉冷めちゃいますよ?」


「うぉぉ!!飯だ!!」

「朝餉!!」

「腹減ったぁ」


もしかしたら、隊士の扱いも上手いかも


隊士の中には、待ち伏せ事件で永倉と巡察に行って、誠が倒れるのを見たものもいる
記憶のことも知っている者もいる


そいつらに、わざと気を使わせたんだ

原「俺らも行こうぜ!」

「おお、腹減ったな」




誠と俺の対決は、俺の負けだった



稽古しねぇとな!!俺もまだまだだ!!

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