新選組へ ~ 連理之枝 ~
【土方】

急な仕事で、夜遅くまで書き物をしていた

誠も本を読んでいる


「お茶入れましょうか」

「すまん、頼む」


誠が部屋を出た後、頂き物の菓子があることを思い出した

少し休憩をしよう

炊事場へ向かった


お湯を沸かす為の火に

木彫りの紅葉と桜を入れていた


「誠…」

「ふふっ もう要らないかなって」

「いいのか?」

「はい」


誠が、新選組を選んでくれた

そう思った


「菓子食うか?」

「こんな時間に?」

「千菓子だぞ?」

「いただきます」

「誠の好物だもんな」

「はい」






2人で茶を飲みながら

何でもない話をして、笑って


グイッ ヒョイ


誠を抱っこし


ぎゅっと抱きしめた


「土方さん?」

「誠…俺、時々不安になるんだ」

「土方さんでも、不安になるんですね」

「なるさ…誠がいてくれてよかった」

「掃除とかしか役に立ってないけど?」

「お前がいるだけで、心強いんだよ!!」

「よくわかりません」

「皆も同じだぞ」

「へぇ~」

「わかってねぇだろ」

「わかりませんよ」

誠の笑顔で、皆が癒やされる

守りたい

その気持ちが

俺達を強くしてる

< 178 / 323 >

この作品をシェア

pagetop